潜在看護職の活用
厚生労働省の資料(厚生労働省:第六次看護職員需給見通し, 2004.)によれば、65歳までで現在免許を持ちながら、その職から離れている潜在看護職員数は全国で約55万人と言われています。全体での看護師総数は増えているものの、需要もまた、増えているために、常に看護師不足が生じ、この潜在看護職員に注目が集まっています。潜在看護職員がキャリアアップして実践に戻るにはどうしたらいいのでしょうか。
【看護職に戻りたい】
もともと看護師になりたいと思う人は、強い意志と意欲を持って看護学校に入学する人が多いものです。卒業し、現場に出て疲れ果ててた職業に転職したとしても、やはり「看護師が良かった」「本業に戻りたい」と思う人はかなりの割合でいるようです。また、出産で看護職を離れた人でも、子育てが一段落し、再び看護職に戻りたいという人も増えています。
【復職するには】
まずは現在の自分の実力と現在の医療状況のすり合わせが必要です。退職して1年や2年の一般で言ういわゆる第二新卒にあたる看護師ならば、そうギャップはないでしょうが、出産などで長期、看護職から離れていた人には、以前の技術からのブラッシュアップが必要になってきます。まずは転職エージェントに登録するのが早いでしょう。この中で、再就職を支援していたり、教育プランを持っていたりする病院は期待が持てます。また、勤務体系にも柔軟な病院ならば復職しても夜勤がない、夜勤があっても人員配置が多いので楽等、下調べができます。
【復職プログラム】
医療の進歩は日進月歩で次々と新しい機器、薬が開発されます。今現在多くの病院では復職の際に少しだけ、あるいは担当部署に一任されていた教育をする程度です。しかし、それですと、現場のカンが取り戻せず、また忙しい現場で結局詳しい教育がされないということが大きな問題となっていました。そこで、様々な復職プログラムが開発され、利用されるようになりました。
まずは現場の勘を取り戻すために、3DCGで手術の様子を再現したり、患者の視線で物を見たりすることができるシステムが開発されています。
また復職プログラムを離職期間にあわせ、多種類の機器や専門看護師による講義を行い、出席日数や評価で終了基準を設けている病院もあります。